フラッシュライト

フラッシュオブスティール
サードパーティー
フラッシュムービーの全弟として生を受けたフラッシュライトもやはり、大きな期待のかけられた馬だった。
だが姉とは違い、いきなり新馬戦を2連敗。暗雲立ち込めるスタートとなる。
 
2勝し挑んだ朝日杯3歳Sは3着。
クラシック戦線のステップとして挑んだクロッカスS若葉Sは2着。
勝ちきれないレースが続く。
そして本番のクラシック3連戦は2着、3着、3着。
 
ここで奥田調教師は「まずは勝つことを覚えさせなければいけない」と判断。
一度目標グレードを落とし、アメリカJC、京王杯スプリントを快勝させる。
安田記念こそ2位とまた勝ちきれなかったものの、CBC賞もとった。
 
早熟に見えたフラッシュライトの真価はここからだった。
この5歳秋、秋のGIロードを駆け抜ける。
天皇賞秋こそ痛恨の出遅れで4着となったものの、最後は団子になっている3頭を豪脚で追い上げ手ごたえ十分。
そして迎えたジャパンカップ
日本馬アグリキャップ、外国場トリプティクの2強勝負といわれたこの決戦の場での先行抜け出し。
的庭騎手のあまりに巧みな騎乗。
一度はアグリキャップに並びかけられるものの、粘り勝ちを納めた。
父、母の距離適正ゆえにこの勝利は「的庭騎手、一世一代の神技」として称えられ、フラッシュライトの評価には繋がらなかった。
 
その評価どおり、続く有馬記念でも人気は薄かった。
なにしろアグリキャップ。イナリアン。そして古馬最強といわれるスーパークリックが揃ったオールスターと呼ぶに確かにふさわしい舞台だったためである。
しかしここでまた、的庭騎手の騎乗が冴える。
足りないであろうスタミナを抑えるための中団待機。
そして残り200mを切ってからするりとトップに立ち、そのままゴール。
 
その後フェブラリーIIを快勝したものの春は調教失敗。
安田記念を8着と凡走して復帰は秋に。
すでに全盛期の力は無いであろう6歳秋。
だが、前年のライバル達はジャパンカップに向けて出走を見合わせていた。
有馬記念を制した馬としてこの面子では負けられない。
その意地か、最後の直線で他馬たちを突き放し2馬身差の勝利となった。
秋のGIを3つ制し、名実ともに名馬として名を残すことになるだろうフラッシュライト。
引退レースとなる有馬記念では直線で失速。
シンガリから新しい世代の若武者たちを見送りターフを去った。
 
姉であるフラッシュムービーとともに、サードパーティーの子としてふさわしい戦績を収めたフラッシュライト。
その功績は高く評価され、ハル牧場のメモリアルホースとなった。
現在は種牡馬として活躍中。産駒の活躍が待たれている。
 
生涯成績 23戦9勝
本賞金 36450万円
総賞金 85020万円
主な制覇レース
 ジャパンカップ
 有馬記念
 天皇賞・秋