フラッシュムービー

フラッシュオブスティールを思わせる小柄で鹿毛の馬体。
ハル牧場の初代スターホースサードパーティー
その娘として生を受けたフラッシュムービーは、仔馬の頃からその才能に大きな期待がかけられていた。

新馬戦で既に疑う余地無しの一番人気。
それに応えた、6馬身離しての完全勝利。
続く札幌3歳S小倉3歳Sも逃げ切る。
ききょうSこそ疲れが見えたか4位に終わったものの、阪神3歳牝馬Sの筆頭に期待された。
だが河打騎手の失策か、最後方からの競馬となってしまい馬群に包まれまさかの8着。
阪神競馬場はファンの悲鳴で包まれた。
 
クラシックで復帰を。
森山厩舎では阪神3歳牝馬Sで垣間見えたスタミナ不足に着目。
短距離では敵無しと紅梅賞を華麗に逃げ切らせ、その後は桜花賞を睨み同1600mのレースで経験をつませる。
シンザン記念、チューリップと1着は逃すものの善戦。
今度こそは…。
しかし再び1番人気で挑んだ桜花の舞台で、まるで焼き直しのごとく馬群に沈んだ。
 
父は短距離馬。スタミナの不足を見ても、オークスは絶望的。
馬主からの強い要望により参戦したものの、調教失敗もあり-12Kgでの出走。
再び後方からの競馬となり、残り600mでも最後尾でまるで動けない。
誰もが諦めた中、フラッシュムービーと河打騎手は諦めていなかった。
まさかの最後方からの直線一気。
他の馬とはレベルの違う末足で2馬身の差をつけて先頭でゴール。
 
エリザベス女王杯を確実に。
森山調教師はそのために、オークス後の宝塚記念への出走を行なった。
メジロマッコイーン、アグリキャップ、バンビーメモリーイナリワンステージチャンプ、ヴェガ。
だがこの中で、フラッシュムービーはまたもや豪脚を披露。
メジロ、ヴェガに続く3着という成績を収めた。
 
本番エリザベス女王杯
オークスと同じ最後方からの競馬となりまったく同じ展開。
そして直線一気はしかし先頭までは届かなかず3着と終わった。
 
その後はGIレースに何度か出走するも成績はふるわず。
5歳も半ばの夏、調教中の故障により長期休養となった。
そしてサードパーティーの血を絶やすわけにはいかないという馬主の意向のもと、そのまま引退。
※すでにサードパーティーは他界しており、かつ残った牝馬はフラッシュムービーだけであった
同時期にクラシック戦線を好成績で駆け抜けた全弟、フラッシュライトとの勝負は幻と終わった。
 
生涯成績 18戦6勝
本賞金 12200万円
総賞金 30320万円
主な制覇レース
 オークス