前提
全ソフトがレギュレーション違反
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140227#c1393510021
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140227#c1393567501
電王戦のレギュレーションであった「ソフト入れ替えの禁止」は全ソフト破っている。
ドワンゴが「27点法から24点法へのルール変更とその対応」をソフト開発者に命じたため。
だがドワンゴはそれを公開しておらず、あまつさえPVでやねうら王だけ破ったかのように宣伝した。
フリーズバグ対応をしようがしまいが、指し手は変わった
勝利条件の一つが変更されたのだから、ソフトの指し手が変わるのは当然。
変わらないなら対応する意味がない。
勝手な私見による各サイドの超要約
将棋連盟
プロ棋士有利にしたいので、24点法への変更を強く希望。
※プロ将棋界を護る立場としての常識的判断
佐藤六段
数ヶ月やねうら王を研究してきたので、指し手が変化しないことを強く希望。
※この対局に対し大きなリスクを背負っているプロ棋士としての常識的判断
やねうらお
24点法への変更のため、ソースコードや棋譜に手を入れる義務が生じた。
当然指し手が変化するが、将棋連盟からの申し出な上、ドワンゴが仲介し許可を出してるのだから将棋側が納得済みと判断。
承諾する。
※プログラマとしての常識的判断
どうせもう指し手が変化するのだから、ドワンゴの興行に迷惑をかけかねないフリーズバグなどの修正を提案する。
佐藤六段とのガチ対戦こそ望みなので、フリーズバグなどの修正については断られても結構だし、断られた場合の代替案も多数用意。
それにしても棋力が変化しないならOKということは、以前対談した通りなぞり将棋やハメ手を使わないつもりなんだな。流石サトシン、男だぜと感心。
※イベントを楽しんでいる参加者的判断
ドワンゴ
開発者には「棋力変わらないよね?」という確認を取る。
一方将棋側には「指し手変わらないと開発者が言った」と伝達。
確執を起こしたのはドワンゴ。
今回疑惑の種になっている「フリーズバグの修正」を許可したのもドワンゴ。
フリーズバグの修正についての代替案を全て断ったのもドワンゴ。
そもそもやるべきではなかった「24点法への変更」を命じたのもドワンゴ。
両者の確執を解決すべき立場なのに、興行的成功のためにわざわざ炎上PVまで作って放火したのもドワンゴ。
やねうらおさんの居ない場所で記者会見を開き、「やねうらおに我々も騙された」かのように振舞ったのもドワンゴ。
「24点法へのルール変更」を告知しないのもドワンゴ。
「もはや全ソフトが、入れ替え禁止レギュを破ってしまっている」のを告知しないのもドワンゴ。
PVの中で「やねうら王だけがレビュを破ったかのように煽った」のもドワンゴ。
見事炎上して注目が集まったことに喜んでいるのもドワンゴ。
勝手な私見による話の流れ
将棋連盟
(指し手が変わらないなら)24点法に変更して欲しい。
※勝利条件が変わるのだから、指し手も変わるに決まってる。だが非プログラマにはそれが分からない
ドワンゴ
開発者さん。
将棋連盟が24点法にしてだってさ。棋力にほとんど影響ないよね?
※将棋連盟の意図を理解していない
やねうらおさん
なぞり将棋をするわけでもないのだから、棋力、すなわち強さの同一性が大事ってことか。
棋力変えなければ良いわけですね。OKですよ。
ついでにバグ修正もやったほうがいい?
フリーズバグとかあるし。
もちろん棋力は変わらないよ。
※指し手を変えずに24点法への変更は、プログラマの常識的に無理。ドワンゴも常識を持っているはずなので疑わずに承諾。
佐藤六段
(指し手)変わらないのね。OKですよ。
指し手が違うと、今まで何ヶ月も考えてきた対応策が変わる。
今のコンピュータ将棋の強さを相手に、それはきつすぎる。
指し手の同一性が重要なのは、当然ドワンゴも分かっているはず。
※棋士的常識で判断。棋士の常識を知るはずであるドワンゴ(将棋イベント主催者)が言ったのだから信用
将棋連盟
では対応よろしく。
佐藤六段
指し手変わってるんだけど!?
ドワンゴさんどういうこと!?
やねうらおさん
え、はい。バグ修正もしたし、24点法への改造も言われた通りやりましたよ。
大掛かりでしたわ。
指し手が変わったんですか?
はぁ、確かに27点法で勝利した棋譜の削除とかしたんで、変わるかもしれませんね。そりゃ当然。
でも根本的な思考ロジックは変わってないから、約束通り棋力変わってないと思いますけど。
※むしろ弱くなったんじゃね?
佐藤六段
棋風(指し手)が変わってるんだよ!
約束違反だ!
やねうらおさん
棋風(棋力)が変わってるんですか!?
えー、そんなことあるのかなぁ。
でもプログラムは絶対じゃないし、(変わったというのが本当だと仮定するなら)バグ修正で影響がでた可能性が高いかな。(無いと思うけど)
※棋風が変わる確率が0.1%。変わったとしたら90%の確率でバグ修正が原因。つまり「バグ修正によって棋風が変わる確率」は0.09%
※(ここの0.1%とか90%は、話を分かりやすくするためにふった仮定の値)
佐藤六段
バグ修正すると、指し手に影響が出る可能性が高いと知りながらやっただと!?
※「バグ修正によって棋風が変わる確率」が90%と誤解
(さてはこいつ、指し手だけじゃなくて強さまでアップさせやがったな!?)
もう頭に来た! このゲス野郎!
やねうらおさん
え?
なんで怒ってるんです??
よく分かりませんが、なんだったら古いバージョンで対戦でもいいんですが……。
佐藤六段
古いバージョン?
(現バージョンの方が強いはず。ということは「弱くしてやろうか?ニヤニヤ」ってことか!!)
挑発しやがったな!
ドワンゴ
ラッキー!
炎上させよう!!!!!
炎上PVも作っちゃえ!
一般視聴者
炎上PV見たぞ!
やねうらお酷い奴!
以前からのやねうらおブログ読者
24点法に変えた件が、以前のやねさんのブログでしか公開されてないんだけどどういうことなの?
全コンピュータ将棋が修正したはずだよね?
やねうら王だけじゃないよね?
私
この騒動がプロレスなのか、ガチなのかは知らん。
だがとてつもなく不愉快だわ。
誰に不愉快って、当然ドワンゴだわ。
「棋力が変わらない」≠「指し手が変わらない」
http://michsuzuki.hatenablog.com/entry/2014/03/16/025800
スズキオンライン「第三回電王戦第1局後に流れた第2局PV後半とその後の会見内容書き起こし」
川上会長
「棋力は一切変わらないものです」ということでしたので、その修正を特別に認めることとしました。
佐藤六段
指し手に変更がないと言っておきながら、明らかに変更されたもの、棋力も指し手も違うものを入れ替えて、その入れ替えたという形を作って、それから虚実織り交ぜた説明、また挑発的な提案などもありまして。」
「指し手に変更がない」と言うのは誰の口から出た言葉なのか。
とてもじゃないが、職業プログラマが口に出すとは思えません。
何故ならこの台詞は「自分のプログラムにバグ(自分が想定していない挙動)は1つも無い」と言い切っていることと同義だからです。
世界で最も自信過剰なプログラマを連れて来たとしても、こんな台詞は吐かないでしょう。
一方、棋力が変わらないという台詞は、かなりの確信を持って言うことができます。
コンピュータ将棋の世界はかなり煮詰まっていて、技術的変更が無いのにひょいひょい棋力が上がるような甘い世界ではないからです。
「開発者が意識していなかった部分の変更で棋力が大幅UP」なんてことになれば大発見ですよ。
結局、開発者は「棋力が変わらない」という常識的範囲までしか保証しなかったのに、誰かが勝手に「指し手が変わらない」に差し替えた。
と言うのが今回の流れじゃないでしょうかね。
やねうらお
開発者側からみたら、そんなに指し手の性質って変わるものなのかと。逆に驚きがあるんですよ、そこは。評価関数がまったく同じなのに、指し手が違うと別人に見える、微妙に見えるみたいなそんな話ってあるのかと。
実際PVの中のこの文面。
ちゃんと読むと分かるのですが、やねうらおさんは「指し手が違う」ことには驚いていない。
「指し手が違うと別人に見える」ことに驚いている。
つまり「指し手は変わって当たり前だ」という、プログラマとしては普通の主張を行なっていますね。
03/01のやねうら王差し替えは、そもそもバグ修正以外もやっている
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140315
Q) あなたは佐藤紳哉六段のPCのやねうら王を勝手に差し替えたのですか?
A) ドワンゴさんを通じて佐藤紳哉六段にはアポイントを取っていただきましたし、そのときにバグを修正したバージョンに差し替えること自体は、ドワンゴ側と佐藤紳哉六段との了承は得ています。(だからこそPVの撮影班がいたわけでして…) また、その2,3日ほど前に「27点法から24点法への修正」の依頼がドワンゴ側からありました。「1週間後に提出したバージョンから変更しないはずだったのに?」と思いましたが、電王トーナメント自体は今回が始めてのイベントですからそういう調整も致し方ないのかなと思いました。
そもそも24点法への変更はドワンゴから命じられた義務だったようです。
この段階で指し手が変わってもなんら不思議はありません。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140227#c1393510021
yaneurao 2014/02/27 23:07
↑24で思い出したのですが、今日、ドワンゴの電王戦の責任者の方から電話があって、「本番は入玉に関して24点法を採用するのでヨロシク!」みたいなことを言われました。わははは…。いまから実装してきますorz..
しかも2日で対応。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140227#c1393567501
↑将棋連盟とドワンゴとの話し合いにおいて、24点法に対する将棋連盟側の強い要望があったそうです。
やねうら王では、終盤まで学習させてそれをDBに保存しているため、27点法が24点法に変更になりますと、27点法で入玉勝ちの局面でbestmove winを送ってしまう可能性があるため、後半のほうの指し手のクリアなど、何らかの修正が必要になります。他の開発者にはどうであれ、やねうら王的には大変な変更でした。
そもそもは将棋連盟が要望したこと。
ただまあ、この修正による指し手の性質に及ぼす影響は皆無だと判断できると思うので、昨年の電王トーナメントのときのバージョンの指し手に限りなく近いと言っていいのではないでしょうか。ですので、まあ電王戦の趣旨には反しないと私は思うのですが。
やねうらおさんが保証するのは、あくまで「指し手の性質」
DB(参考棋譜)の一部を除去するのだから、当然関係する局面で「指し手は変わる」
また、佐藤六段は
本人を家に上げて、本番用のソフトを入れ替えるという作業を認めたということで、すごい脇が甘い部分はあったのかもしれませんが
と、どうも将棋連盟が提案&修正させた24点法への変更そのものを知らなかった様子?
ドワンゴは何やってたんでしょうね?