ゼルダの伝説 神々のトライフォース2 感想レビュー

前置き

最初に結論から言うと、褒め所の無い糞ゲー。買おうと思ってる人は買わなくていいよ。SFC版やろう。な。 
もしこれと同等の作品が別メーカーから出ていたとしたら、私はゼルダの面白さを理解してないアホが、上っ面だけコピーして作ったカスゲー」と答えるかな……。
ゼルダのファンで、この作品を「面白い」と答える人いるんですかね?
懐かしいとか、曲が良いとか、そういう褒め方だったらできますが。
 
まず前置きとして、私のプレイしたゼルダとその評価は以下の通りです。
ゼルダの伝説神ゲー
リンクの冒険神ゲー
ゼルダの伝説 神々のトライフォース神ゲー
ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(町の中だけで完結してたら神ゲーだったのになぁ)
ゼルダの伝説 風のタクト(責任者出てこいや)
ゼルダの伝説 夢幻の砂時計(責任者出てこいや)
典型的な懐古厨ですな。
それを踏まえて、続き読みたい人だけどうぞ。文句くらいしか書かれていません。
文句つける以上、ゲームはクリアしてますし、ハートの欠片もマイマイも全部自力でフルコンプ済みです。

リンクが絵になるとは何だったのか

リンクが絵になって壁に貼りつき、狭い隙間に入ったり、崖を渡ったりできます。
最初聞いた時面白そうと思うと同時に「色々仕様の隙間をついてズルできそう」とわくわくしました。
仕様の隙間をついた俺的裏ワザ攻略法の発見こそゼルダの楽しみです。
 
実際はどうだったか。
危ないことができないよう、ありとあらゆる壁に鋲が打ちこまれており、絵状態での通行不可だらけ。
その徹底っぷりは病的なほどで、一体どれだけのデバッガーを集めて穴潰しをしたのか心配になります。
おそらく任天堂には、想定外のプレイが発覚したらディレクターのクビが飛ぶというルールでもあるのでしょう。

アイテムレンタルとは何だったのか

最初からハンマーやフックショット、爆弾などが格安でレンタル可能です。
最初聞いたとき面白そうと思うと同時に「色々仕様の隙間をついてズルできそう」とわくわくしました。
仕様の隙間をついた俺的裏ワザ攻略法の発見こそゼルダの楽しみです。
 
実際はどうだったか。
ほんとに言葉面通り最初から(ほぼ)全てのアイテムの入手が可能というだけでした。
つまり「爆弾を手に入れたから新たに行けるところが増えたぞ」とか「フックショットを手に入れたから新たに行けるところが増えたぞ」といった、ゼルダ流のやれることが増えてる感が無いわけです。
 
これを抽象化すると「鍵A(爆弾)」を手に入れたから「扉A(ひび割れ)」を開けることができるようになる。という楽しみです。
でも今回は、最初から鍵A〜Eが手に入るわけですよ。
なら最初から、鍵Aだけで良い。いや、それどころか鍵なんて無くていいんじゃね?
何かね?
ディレクターはまさか、「ユーザーは爆弾しかけて壁を崩すことそのものを楽しんでいる」とか思っちゃってるんですかね?
違うよ?
爆弾手に入れて、それで壁を崩すことができるようになって、今まで行けなかったところに行けるようになるのが楽しいんだよ?

世界は広がらない

・好きなダンジョンからプレイして良いよ
・ダンジョンの入り口で「あるアイテム」必要です
・「あるアイテム」をレンタルしてきてね
・ダンジョン内はその「あるアイテム」のみで解くんだよ。だって他のアイテム持ってるとは限らないからね
はぁ、マジはぁ。
ダンジョンのクリア順を自由にしたことと完全に矛盾しちゃって、結局つまらなくしてるよね。これならクリア順固定にして「今まで手に入れたアイテム全てを駆使して突破せよ」の方が100倍面白いよね?
実際のところ、7つの神殿のクリア順は自由なのですが、そこで手に入るアイテムは「攻撃力が倍になる」「防御力が倍になる」とかばっかりで、行ける世界は広がりません。
唯一パワフルグローブだけは世界を広げてくれるのですが、それが手に入るダンジョンが示唆されるなんてことも無いので率先して手に入れるとかできないし……。
 
レンタルアイテムがグレードアップする機能があるのですが、これまた無意味。
「爆弾をグレードアップしたら、いままで壊せなかった大岩を壊せるようになったぞ」なんていうゼルダ的展開は一切ありません。
 
ちゃららら〜♪
「威力と範囲が2倍になったぞ」
最初見た時、正気を疑ったね。もちろんディレクターの。

アイテムレンタルはマジカス

レンタルですが、ルピーを支払う必要があります。
死ぬとレンタルアイテムは全て没収されます。
何この下手なユーザーほど酷い目に合うシステムは?
任天堂のゲームで、こんなカスシステムに巡り合う日が来るとは思わなかった。
メタルマックスのレンタルタンクの方が100倍くらい頭良いシステムなんですが。

アイテムレンタル実装するならこうだろ

・レンタルで2つまでアイテム持って行けます。
・ダンジョンのリドルは、アイテムを使わない解法も用意されていますが、アイテムを駆使すると楽に解けて良い気になれます。
実装するならこうだろ?
なんでそうしなかった?
 
砂漠の神殿あたりで「(爆弾を持っていれば)爆弾で壊すのが楽だが、無いなら鉄球を上手く誘導しても壊せる壁」といったギミックがわずかながら出てきます。
それを全編通してやってくださいよ。

開発者様の指示に従え

とにかく、どんな場面でも「開発者様が想定している解法以外は絶対に認めません。従え」という態度が鼻につく。
それが最も分かるのは迷子のマイマイを探すというミニイベント。
100匹のマイマイが世界に隠れているので、それを集めるという遊びです。
 
このマイマイが壁に貼りついていることがあるのですが、その時の回収方法にスタッフの狂気を感じます。
・引っ張ってもダメ
・爆弾で吹き飛ばそうとしてもダメ
・トルネードロッドで巻き上げようとしてもダメ
ダッシュで壁にぶつかって揺らして落とそうとしてもダメ
・フックショットで引っ張ろうとしてもダメ
・ブーメランで回収しようとしてもダメ
・剣で斬ってもダメ
・ハンマーで叩き落とそうとしてもダメ
・虫取り網で回収しようとしてもダメ

なんでダメなの?
はい、唯一の解法は「絵になって壁に貼りついた後、壁から抜け出す際の衝撃でマイマイを引きはがす」でした。
 
なぁ、ディレクター。
なんで解法を唯一にしなくちゃいけないの?
100匹も探すんだから「絵化しないとたどり着けない崖に貼りついてるマイマイ」でやればいいじゃん、その解法。
トルネードで取ったり、爆弾で吹き飛ばして取ったりしなくちゃいけないマイマイ用意すれば、遊びの幅広がると思わない?
で、簡単な奴はユーザーの好きな方法で取ればいいじゃん?
自分が考えた通りにユーザーが動かないと死ぬ病気にでもかかってるの?
おそらく任天堂には、想定外のプレイが発覚したらディレクターのクビが飛ぶというルールでもあるのでしょう。
 
テストでピーマンをパプリカと書いたら×もらったってネタを思い出したよ、私は。

劣化劣化アンド劣化

神々のトライフォースと言えば、好きな位置で裏世界から表世界に戻れる鏡がキーアイテムでしたね。
もうワクワクが止まらないって感じの自由度の高さが売りでした。
今回は無いです。表と裏を行き来できるのは、開発者様が安全性を完全管理してくださっているいくつかの渡航ポイントのみです。

おっさんですよ私は

神々のトライフォースを現役で遊んでいたわけですから、当然私はおっさんです。
おっさんにもう一度あの時と同等のワクワクを味あわせろとは言いません。
んなもん老害以外の何物でもないですし。
でもね。なんで劣化してるの?
なんでゼルダのウリを丁寧に潰して回ってるの? マゾなの?

スタッフさん

宮本茂さんや青沼英二さんは、今回のゼルダがちゃんと面白いと思ってリリースしたの?
申し訳ないけど、ディレクターの四方宏昌さんて存じ上げていないんですが、ぐぐってもゲームディレクターとしての経歴が出てこないんですよね。
背景デザイナー出身の方らしいです。
ああ、ゼルダの伝説 大地の汽笛でプランニングを担当されたという経歴を発見しました。
私はプレイしていないのですが、評価サイトのmk2でC評価食らってますね。

任天堂なのに……

マイマイを探す手がかりは「キューキュー」という鳴き声です。
近くにいると聞こえます。
それを手掛かりに、穴掘ったり、木に体当たりしたりで探すことがままあります。
地面の中や木の中に隠れているマイマイ音無しで探すのは無理ゲーです。
 
で、聞きたいんですけど聴覚障害者はマイマイ探せなくないですか?
いや、これはイチャモンレベルだろと言いたい人の気持ちは分かります。
でも、私の知っている任天堂そういう所まで気を遣っているから神企業なんです。
キャッチタッチヨッシーで、わざわざ左利き用モードをサポートする企業。それが私の尊敬する任天堂なんです。
その気遣いが無くなったら、カプコンバンナムスクエニと同じ普通の企業じゃないですか。
 
聴覚障害者でなくても、携帯ゲーム機で音必須って勘弁してほしいんですけどね。
 
とにかく、これもそうですし、ゲーム本編全般もそう。
とてもじゃないけど任天堂のゲームとは思えないのが今回のゼルダでした。
任天堂が悪い方向に変わりつつあるのかもしれません。そんな匂いを感じてしまいました。