ふしぎの城のヘレン

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もう解説聞く前にとっととプレイ始めちまえよ。
名作中の名作、ふしぎの城のヘレンについてレビューを書いてみよう。
プレイしたのだいぶ前だから詳細が違うかもしれんが。
 
■洗練された戦闘
戦闘はタイマンバトル。
やれば一発で分かるのに、言葉にするとなかなか難しいこのルール。
てっとり早く例を挙げよう。
お互い相手のコマンド選択は見えている。
 
敵:爪攻撃「攻撃力30、防御力10、行動値20」を選択。
私:大剣「攻撃力20、防御力0、行動値15」を選択。
 
私の攻撃で相手に20-10=10のダメージ。
 
敵:爪攻撃「攻撃力30、防御力10、行動値5」になる。
私:バックラー「攻撃力0、防御力20、行動値8」を選択。
 
敵の攻撃で私に30-20=10のダメージ。
 
敵:コマンド選択…
私:「攻撃力0、防御力20、行動値3」になる。
 
といった対戦を行う。
分かりやすく、それでいて戦略性が高い。
 
■取捨選択が心地よい
装備は8つまで持てて、どれも一長一短がある。
上にも書いたように、攻撃コマンドにも防御力が設定されているのが面白い。
刀剣類は攻撃力と防御力が高く、行動値も高い。
敵の攻撃をうけとめて、その反撃で倒すスタイルだ。
 
一方弓類は、攻撃力と防御力が低い代わりに、行動値が低い。
先制攻撃で倒すスタイル。
 
他にも色々あるが、それらをどう組み合わせて戦うのか頭を使う。
CPUにも頭の良さが設定されており、頭の良い敵はこちらの大振りの攻撃(高攻、低防、高行)に対して、ぎりぎり先手を取って攻撃してきたあげく、直後に防御行動をとるといった小憎らしい戦術を使ってくる。
 
もちろんお互い様なのだが、頭の良いCPUとの駆け引きは非常に熱い。
というかボスが強くて攻略し甲斐があるんだこれ。
 
■ゲーム性に無駄が少ない
金稼ぎ要素とかない。
一応レベル上げはできるが、あくまで難易度調整といったレベルなので、頭が回る人なら戦略性でガンガン進める。
マップも無駄に広いなんてことはなく、謎解きも適度。
ストーリーも十分だが飽きない分量。
 
ボスと対峙して頭を延々と使うということはあれど、無駄な行動で時間を延々と使うということが無い。
とても洗練されているゲームと言える。
 
■総括
今すぐプレイしろ。
 
■余談
それにしてもこのゲーム、グラフィックもかなりのものである。
細かいキャラの挙動などにもこだわりを感じられる。
メニュー画面を開いてしばらくすると、主人公のヘレンが…。可愛いので是非一度見てみよう。
 
公式からレビューページなどにリンクが張られている。
その中の製作者インタビューに、雪道の作者が出ているので是非どうぞ。
 
雪道の作者のセリフを引用しておきたい。

ゲームを始めて「どうしてこのゲームは『なにがどう最高なのか』を、開始してすぐにわかるようにしないんだろう」とかは思いますね。できれば開始する前からわかるといいんですけど。

まったくもってその通りだ。
勘違いゲーム製作者は、自分の最高の盛り上がりをエンディング前に持ってきたがる。
そこまでたどり着く人間など、ほとんどいないというのに。
勘違いゲーム製作者は、ゲームの冒頭に世界観説明(笑)を入れたがる。
誰もそんなもの読まないのに。
 
そういう意味でヘレンは凄い。
開幕から面白さに直面できる。素晴らしい。