STREET FIGHTER X MEGA MAN 感想レビュー

http://www.capcom.co.jp/rockman/sfxmm/
※注意。この文章は「このゲームはカプコンUSAの人が作った」と思い込んでいた時に書いた文章です。後に「ファンが作ったもの」ということを知り末尾に追記を書きました。
 
PCで遊べる、ロックマン
ボスキャラはなんとストリートファイターのキャラクターたちだ!
という、公式コラボゲーム。
ストリートファイター」VS「ロックマン」と言ったところか。
 
このブログを知っている大抵の人。つまり私の知人たちは、私がロックマンストIIシリーズをとてもとても愛していることを知っていると思う。
結論から先に書くと、まぁプレイする価値は無かったなという糞ゲーなわけですが。

やはりこういう過去の遺物を使うゲームは、それに対するこだわりを強く持っていないといけません。
もしかしたら。
もしかしたら、このコラボロックマンを作った人(カプコンUSAの人)たちもこだわりは持っていたのかもしれません。
でも、なんかずれてるんですよねぇ……。

ステージセレクト

さっそくスタートボタンを押してステセレ画面。
8体のストリートファイターが……。
ズコー!
え、なんでロレントだの、ユリアンだのが居るの?
ストリートファイターで8人のボスだよ?
ストIIの初期キャラって何人だか知ってる?8体だよ?
早速暗雲が立ち込める。

ステージ決定

チャラッチャララー♪
いつもの音楽に合わせて、ボスがカッコ良い決めポーズを……しない!
もうやる気が激減し始めた。

リュウステージ開始

最初にいる雑魚とさっそく対峙。
どうやらスナイパージョー互換らしく、盾に攻撃を阻まれる。
相手の攻撃モーションが見えた。
その時、ロックマンシリーズにあるまじき超速の弾が放たれた。
 
えーっと、アクションゲーム設計の基礎中の基礎としてだ。
初見の弾が、見てかわせない速度ってやっちゃいけないこと代表みたいなもんだよね。
そういう場合、そいつとユーザーが向き合うまでの間に1回空撃ちさせてユーザーに予備知識をつけさせなきゃいけないよね。アクションゲーム制作者として当然だよね。
 
ステージ開始して1画面目で、もう「このゲームを作った人は、ゲーム制作の基礎すらできてない人間なんだな」と悟ってしまった。
もうやる気がやばい。
BGMがリュウステージのアレンジなので、そこでなんとかやる気をつなぐ。

操作チェック

雑魚を排除した後、そもそも操作のチェックをしていないことに気付く。
スライディング……。ありやがる。
チャージショット……。ありやがる……。
 
さて、世の中のロックマンフリークの間で、なぜロックマン2があれほどまでに人気なのか。
答えは簡単。3以降に追加された要素は、片っ端から蛇足だからだ。
続編を出すうえでは、蛇足と言われようが、当然新要素が必要だった。
だからロックマン3や、ロックマン4が悪いとは言わない。
 
だが、コラボと称して過去のゲームを引っ張り出したからには、最も良い時代のものを持ってくるのが当然だろ?
ロックマン9(スライディングなし、チャージショットなし)を作ったスタッフは、その辺りわかってたぞ?

道中

敵の種類少ねぇ……。

ボス:リュウ

リュウとバトル。
波動拳昇竜拳竜巻旋風脚
おお、これぞコラボ。
いいぞ、もっとやれ。
だが……。
 
リュウの行動パターンが多すぎる。
特に、波動拳に速い・遅いがあるのは何なんだ?
ロックマンに限らず、アクションゲームはパターン構築ゲーだ。
パターンが多いほど無意味に難易度があがる。
 
最悪なのは行動ルーチンがランダムなことだ。
アクションゲームの敵AI作りとしては、最悪の愚行と言っても良い。
 
ストIIのCPUリュウを思い出してみてほしい。
・後ろジャンプの後、必ず波動拳を撃つ。
波動拳は2回連続で撃つ。
プレイヤーなら必ず覚えてるような特徴的な「行動ルーチン」があったのを思い出せるだろう。
 
これはプレイヤーが簡単に学習し、隙をつけるようにするために、わざと分かりやすく入れられている行動ルーチンである。
プレイヤーはこの隙をついてコンボを入れた時「CPUの動きを読んだ俺SUGEEEEEEEEEE!!」と楽しめるわけだ。
 
ロックマンシリーズにしてもそう。
フラッシュマンが攻撃を食らうたびにジャンプするのも、メタルマンが垂直ジャンプしかしないのも、ウッドマンが馬鹿の一つ覚えの行動しかしないのも。
どれも意味があってやっていることだ。

さまざまな攻撃を、どう見てもランダムに繰り出すこのコラボリュウは、アクションゲームのボスとしての資格が無い。

ブランカステージ

道中でファミコンでは表現しきれないほどの敵が、処理落ちもせずに大量に出現した。
もうダメだ。

ボス:ブランカ

こいつもか。
あと、手に入った武器が「スイカを蹴っ飛して攻撃する」なんだが、ブランカにスイカのイメージなんてあったっけ?

いったんプレイ中断

もうやる気が0になってしまったので、いったん中断することにした。
パスワードをとるために自殺。
……。
パスワードが出ない……だと……?
 
readmeやオプション画面を片っ端から見て回る。
どうやらこのゲーム、中断する方法がないらしい。
もういいよ……。
仕方なくアプリケーションを終了した。
悲しみしか残さないようなひどいゲームだった。

再開

とはいえ、日記に書く以上クリアもせずに書くのは気が引ける。
というわけで、さくっとクリアした。
再度最初から始めることとなり、所要時間は1時間30分ほど。

8ステージ

ボスのユリアンだけは出来が良かった。
行動パターンや弾の速度が非常に適切で、戦っててとても気持ちが良かった。
これなら私の嫁でも、2〜3度挑めば勝てるだろうな。という「プレイヤーに学習させる気がある」ボスだった。

おそらく作った人が違うか、たまたまだろう。

四天王登場

あれ?
UFOは出現しないんですか?
8ボス倒したよ?
UFOは出現しないんですか?
眉はぴくぴくしないんですか?
残りステージ数の表記はないんですか?

バイソン

新しい試みだが、新しいだけだし、なんかスライディング連打してるだけでバイソンが勝手に自殺したので、もうなんて言っていいやら。

バルログ

やった!
ユリアンに続いて学習させる気のあるボスだ。
特にバルセロナアタックは面白く、ひきつけて適切な方向にスライディングしなければかわせない。
モーションなども凝っていてバルログらしさが出てるし、これは良いボスじゃなかろうか。
素晴らしい。

サガット(?)

サガットステージに、ロックマンお馴染みのボスラッシュカプセルが配置されていた。
ふむ、お約束ってのは大事だぞ。
でもステージが髑髏ってのを何故やってくれないのか。
 
ボスを倒しても回復アイテムが出ない……だと……?
これは流石の私でもきつい。
なぜならパターンを読み切らせてくれないこの糞ゲーでは、ボスをノーダメージで倒すのは至難の業だからだ。
 
ついでに言うと、どの特殊武器も使い勝手が糞過ぎて、ボスを弱点で攻撃しようって気も起きない。
ダルシムにレーザー。ブランカインフェルノは敵がハマるから使ったけどさぁ)
なのでボスラッシュを弱点武器で軽くあしらい、俺つえーすることもできない。
 
何度かゲームオーバーになってようやく、カプセルが置かれているところの中央にあるどうみても背景なオブジェを壊すと回復アイテムが出ることが判明。
流石にこれがあれば負けません。
さくっと8体撃破。
さて、ワイリーメカ相当のサガットと対戦が……。無い!!!!
 
ステージクリア音とともに、次のステージへ。
えー?

ベガ

なるほど、こいつが髑髏ステージボス相当なのかな。
比較的パターン化されているボスなので、さくっと倒す。
ベガを倒して、真のラスボスとくれば、豪鬼以外にありえないだろう。
わくわく。

そしてエンディングへ

は?

総括

ロックマンファンも、ストリートファイターファンも喜ばない、糞ゲー。
「なんか作っちゃった。調整はめんどくさいから放棄するけど、無料で配れば文句もでないだろ」
みたいなノリで世の中に出た、ゲームへの愛も、お客への愛も何もない糞ゲー。
 
ほんと、こんなプレイヤーを不快にさせるようなもんだったら、出さないでください。
ロックマンストリートファイターが穢れます。
マジで。
 
ストリートファイターはプレイしてたけど、ロックマンはプレイ初めてだなー。って人たちが「ロックマンって糞ゲーなんだな」って勘違いするのには十分な威力がある。
ほんと、マジやめて。
もしくは私に作らせろ。
 
こんな「ゲーム作りの基本」すら守らないゲームを作ってるから、同じ糞ならソシャゲでいいよねって客が離れるんだよ。
 
ロックマン9の感想を以前あげていますが、それに比べてなんと酷い有様か。
なぜロックマン9のスタッフに作らせなかったのか。
http://d.hatena.ne.jp/kanoke/20080929

追記

http://b.hatena.ne.jp/articles/201212/12038

STREET FIGHTER X MEGA MANストリートファイター X ロックマン)」は、シンガポール在住の蕭宗輝(別名“ソニック”)さんとサンフランシスコ在住のルークエスキベル(別名“A_Rival”)さんによる合作です。カプコンのオフィシャル企画として同社の監修を受けています。

どうやら、ファンが作って、公式が配った。という物らしい。
なら素人な出来もしょうがないか……。と思ったら。
カプコンの監修を受けた?
カプコンの事務見習い代理にでも監修を受けたのか?
 
ゲームを一本仕上げるのがどんなに大変かは知ってる。
作り上げたこと自体はすごいと思う。
素人がやったのだから、もうそれ自体が凄い。
だが、カプコンの監修を受けてなお、なぜ最後の詰めをすべて放棄するのだ?
ゲームの面白さの8割は、ゲームつくりの最後2割である『作りこみ』によって決まるのだ。
ゲームを作る人はぜひ覚えておいていただきたい。
 
システムができたら完成ではない。
リソースがそろったら完成ではない。
 
それらをさっさと終わらせて、残りの時間遊べ。
遊びまくれ。
遊びまくって完成度をあげろ。
 
ステーキが焼きあがっても、塩、コショウ、醤油やソースがかかっていなければ、それは単なる脂っこい何かだ。
美味くも何ともない!!!!!