ダンボール戦機 レビュー
クリアするまでは書かないつもりだったが、もうクリアするかすら危ういので書く。
ダンボール戦機の感想レビュー。
結論
半熟英雄DSに匹敵する最悪ゲー
私の知り合い(ゲーム好き)には絶対お勧めできない、最悪の未完成ゲー。
会社で発売日に私他数名が購入したが、全員絶句して顔面蒼白ブルーレイ。
レベル5のゲームは二度と買わないと心に誓った。
ローディング戦機
- Loading
- 第○話 ○○○○○!!(表題を表示+ボイス)
- Loading
- 自室で目覚める。「今日は放課後にプラモ屋でLBXの練習をしよう!」
- 家の1Fへ移動(Loading)
- 家の外へ移動(Loading)
- 街路を抜けて全体マップへ移動(Loading)
- 学校を選択(Loading)
- 校庭を横断(Loading)
- 学校1F。階段を登る(Loading)
- 学校2F。階段を登る(Loading)
- 学校3F。教室へ入る(Loading)
- 先生登場ムービー「授業を始めます」(Loading)
- 暗転
- 「放課後になったぜ。よし!プラモ屋へ行こう!」
- 教室から出る(Loading)
- 学校3F。階段を下る(Loading)
- 学校2F。階段を下る(Loading)
- 学校1F。校庭へ出る(Loading)
- 校庭を横断し全体マップへ移動(Loading)
- 商店街を選択(Loading)
- 商店街を横断しプラモ屋へ入る(Loading)
- 「よし!LBXの練習しようぜ!」
Loadingの数を数えろぉぉぉおお!!
自室で目覚めてしゃべった後、暗転で即プラモ屋でいいだろ!?いいよな!?
頭大丈夫なのか、このメーカー!?
しかもインストール機能を使ってインストールしているのに、それぞれのLoadingで数秒〜10数秒待たされるんだぜ!?
RPGパート全て消せ!全てだ!!
また、このゲームはなんとランダムエンカウントで敵と戦わされるんだが、戦闘が糞つまんないのでエンカウントすると物凄い勢いでストレスが溜まる!
エンカウントすると当然Loadingが行われるしな!
「退却」を選べば戦闘を回避できるんだがLoadingの前に選択できないという謎仕様!!
さらにこのゲーム、カスタム性がウリなんだが、カスタム画面に入る時などに非常に長いLoadingが入るので、なるべくカスタムしたくない。
いや、それ以前にメニューにあるありとあらゆる項目は、選ぶとLoadingが走る上、その画面から戻ってくる際にも長大なLoadingが入るので選びたくない。
メニューの中にあるHELPを見に行く気が起きない。何のためのHELPなんだ。
戦闘パート
もう、どこから罵倒すれば良いのか迷うほど、ありとあらゆる部分が酷い出来なのだが、やはり皆が気になるところは戦闘パートだろう。
カスタムロボみたいなもんかなと思ってる人も居ると思うが、カスタムロボに全身全霊土下座していただきたい。
まずはどこから話そうか…。
最初に断っておくが褒められる部分は1つたりともないほど出来が悪い。
多すぎて大変なので、申し訳ないが箇条書きにする。
- 戦闘前のLoadingが長すぎる
- コンボがボタン連打の1パターンしかない
- あらゆる行動の後に隙があり、ストレス溜まりまくり
- ダッシュとかしてるとエネルギーが減り、エネルギー切れが起こるのでなるべく動きたくない(アクションゲームなのに!)
- 連続して攻撃しているとテンションゲージが枯渇し、あらゆる行動に制約がかかる。テンションが枯渇しそうになったら一旦攻撃せず間を置く必要がある
- 味方が開始と同時に突撃して即死するほど頭が悪い
- 敵がすぐに地形にハマって動けなくなるほど頭が悪いので、負ける要素が無い
- 地形にハメなくても、相手の起き上がり攻撃をかわした後殴ってこかして…を繰り返しても勝てる
- パーフェクトペースで進んでいるのに、イベントムービーが入ってピンチ演出
- イベントムービーの前後には当然のようにLoading
- イベントムービーは2度目であってもスキップできないので、何かの拍子に負けてリトライするハメになると地獄
- ゲームバランス?何それ美味しいの?ってくらいバランスなんて無い
あー、そうそう。
そもそもこのゲームを勝った動機の1つとして「演出つきの必殺技というものを、どうアクションゲームに融合させるか」を見たかったという点がある。
格闘ゲームは攻撃すると必ず隙があり、そこに時間停止演出必殺技が刺さるというロジックだが、対戦型アクションシューティングでは攻撃に隙が無いのが一般的。
なぜなら、攻撃(射撃)に隙をつけると爽快感がスポイルされるからだ。
さて、我らがローディング戦機はPVで時間停止演出必殺技が披露されていた。
どのように融合させたのだろうか。
なんと!必殺技を放つと5秒ほどのカウントダウンが開始される!
そして防御側は「ジャンプでさける」「右ステップでさける」「左ステップでさける」などの選択肢から素早く回避方法を選択するのだ!
ふざけるな!!!
考え付く限り、最悪の解決方法じゃねーか!
ただのじゃんけんか!アクションゲームで遊んでたはずが、いきなりじゃんけんゲームに突入か!
ふざけるのもたいがいにしろ!!
ストーリー
ストーリーにケチをつける気は無い。
そもそもコロコロ読者あたりがターゲットのゲームだし。
子供がオモチャで世界を救うとか、別になんら問題ない。
カスタムシステム
カスタム(笑)
どの武器持ってもかわらねーよ(笑)
RPGパート
完全なる一本道で、次の目的地までルートナビが出るほどの徹底ぶり。
むやみやたらと移動時間がかかり、Loadingも頻発。
ランダムエンカウントの起こる危険地帯(普通のRPGのダンジョンとかに相当)においては、スイッチを押したら橋がかかって、そこを渡ったところのスイッチ押したら入口近くの場所に橋がかかって…という、同じ道をいかに何度も行ったり来たりさせるかについて力が注がれている。
当然エンカウントする回数も無駄に増える。
プレイ時間を水増しして、大ボリュームのゲームだと宣伝するためであろう。
言いきってしまうが、RPGパートは全て削除したほうがゲームの完成度があがる。
街の3Dモデルを作る労力を全て省けるため、他の部分のクオリティーに力を注げる。
イライラするだけのマップ移動を無くせる。
この2つだけでも削除する価値はありまくりだ。
そもそも、SFC時代にすら存在した「ボタン1つで全体マップへ」という機能が無いのが凄い。
いままでゲーム業界が貯めてきたノウハウを何だと思っているんだろう?
昔から「自由に歩きまわれる街は、歩きまわるだけで楽しいので、多少無駄でも実装すべき」という暗黙の了解は確かにある。
街の無いRPGは寂しい。
だがローディング戦機においては、すぐに「なるべく最小限のLoading回数になるように、なるべく最短の経路しか歩きたくない」という思考になるため、自由に歩きまわれなどしない。
完成度の低さ
世の中、糞ゲーは数あれど、ここまで「完成度」が低いゲームは珍しいのではないだろうか?
完成度が低い。つまり未完成なのよ。
しかしよく考えてみると、ローディング戦機は発売延期したせいで、同時発信予定だったアニメが先行してしまい、ケツカッチンになった作品なのだから、完成度なんて高いわけがなかった。
日野さんあたりが「とにかく形だけできてりゃどうでもいい!アニメが終わる前に急いでリリースしろ糞がーーー!!!!」と叫んだ姿が目に浮かぶ。
私は小学生相手にゲームを作るという行為について、非常に素晴らしいことだと考えている。
ゲームは子供のためにこそあるもんだし、子供は大事にしたい。
子供が楽しめるようにした上で、大人「も」楽しめる。それがゲームってもんの究極系だと思っている。
イナズマイレブンしかり、日野さんもきっと同じような考えを持つ方なのだろうと想像してた。
だけど、違かったんだな。それが残念でならない。
プログラマー的視点
限られた納期の中で、愚直だが最も堅実な方法でプログラムされていると思う。
シームレスなLoadingっていうのは、非常にリスキーなのよ。
「暗転+NowLoading」は非常にバグりにくい、堅実な方法だ。
だが本来、その愚直な方法で一通り作った後に、ゲームの快適性をあげるために慎重に時間をかけてシームレス化を行っていくべきだ。
それをまったくやっていないわけだから、本当に時間が無かったのだろう。
「Loadingをする前に退却コマンドを選べるようにする」なんてのは、1回プレイすれば誰もが思いつく改善点だ。
それすら改善していないのだから、本当に本当に時間が無かったのだろう。
メディアミックス作品の悲劇である。
余談
余談ではあるが、ゲーム開発を委託されている際に「広告をうっちゃったので絶対間に合わせてください。そのために中身がスカスカになっても構いません」という依頼は非常によくある。
そんな依頼者には2つのタイプがある。
本当にスカスカでも文句を言わないタイプと、言うタイプ。
ただし言うタイプであっても、結局は締め切り優先でスカスカのままリリースするので、ユーザーに届くゲームがスカスカであることには変わりはない。
本来ゲームの作り手側である私としてはゲームは予約して購入していただきたい。
超大手以外は、予約されないと発注数が伸びないから。
しかし、こんなにユーザーの期待を裏切りまくる糞どもが闊歩している現代において、とてもじゃないがお客に予約してくださいなんて言えない。
名のある大手が糞ゲーを出すのは、本当に本当に本当に同業者にとって迷惑千万なので止めていただきたい。