菅野よう子 SEATBELTS ライブ『超時空七夕ソニック』

「kanokeはライブとか嫌いでしょ?」とかよく言われるのですが、好きですよ。
単にワーとかキャーとか叫びながらノリノリになるような楽しみ方をしないというだけで。
 

フォグ

会場全体が霧がかっており、遠くほど白っぽく見えました。
霧については古くから(固定機能時代から)あり、Z距離に応じた分だけ頂点色に色加算が行われます。
 
ただ、会場の霧にはムラがあったため、おそらくはボリュームフォグの類だと思われます。
とはいうものの、まじめにボリュームフォグを会場全体にかけていたら処理重すぎますよね。
これは、通常のフォグに加えて2Dで描いた霧の絵を視界全体に重ねているだけだと思われます。
UV値を変化させてゆらゆらさせれば、かなりそれっぽく見えますしね。

グレアフィルタ

ステージを囲むように強烈な電球が配置されており、これらにはグレアフィルタが適用されていました。
グレアとは、明るい光から全方向に細く光が伸びて見える現象です。
メガネをかけてるとこの影響を受けやすいですが、裸眼でもまつげの都合上この現象が視認できます。
 
本当はHDRを使うと良いのですが、面倒なので手抜き法でやってしまいます。
手っ取り早い実装としては、まずはカメラ視点でテクスチャーに「とても明るい物体」のみをを描画します。
それにたいして
http://journal.mycom.co.jp/column/graphics/050/index.html
このような手法でグレアをかけてやれば出来上がりです。
 
ただ、会場のグレアはかなりリアルだったためHDRを使っていると思われます。

ボリュームパーティクル

会場には、スチームを噴出する機械があちことに設置してありました。
そこから出るスチームは、きちんとライトの影響を受けて陰影がついています。
これは疑似ボリュームパーティクルを使っているのでしょう。
 
疑似ボリュームパーティクルの実験映像 で下記記事を検索。
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051207/3dwa.htm
 
ボリュームパーティクルを真面目にやっても良いのですが、スチームの量から考えて疑似で十分だと思われます。

スポットライト

コンサートではおなじみのスポットライトです。
ライトの光が空中で乱反射し、光の三角錐ができる表現。
これに関しては正直、細長い三角ポリゴンで十分かと思うんですよね。
ライトの近くを白。ライトの先を黒とした三角形を作成し、視線に対して常に垂直になる(三角形の面積が最も大きくなるように見える)状態を保てばOKかと。
 
距離による減衰の他に、光の中心から離れるほど減衰するように色を付けるとさらに良いです。
その際スポットライトは本来円錐であることを考えて減衰させるようにしましょう。
 
しかし問題は地面にうつるスポットライトの円です。
これは強烈で、空中の乱反射がほとんど見られなくなる距離にある床にも、強烈な色で描画されます。
 
投影テクスチャシャドウと同じ手法で実装するのが楽なのですが、人などによって遮られても気にせず床に円が描画されてしまうのがまずいです。
なので、深度バッファシャドウと同じ手法で実装するのが楽かなーと思います。
 
あ、そうそう。
光の進行方向と視線が平行に近くなってしまうなら、三角錐にしておくのが無難かな?

ボリュームライト内の物体が落とす、ボリュームシャドウ

http://f11.aaa.livedoor.jp/~hige/index.php?%5B%5B%A5%DC%A5%EA%A5%E5%A1%BC%A5%E0%A5%E9%A5%A4%A5%C8%5D%5D
図19にはなく、図22にはある。
それがボリュームシャドウ(って呼び方でいいのかな?ぐぐるとまったく関係ない技術がひっかかるんだが)。
菅野さんがスポットライトの中を歩くと、ライトと逆方向に菅野さん型の陰が伸びます。
伸びた陰は床の上の影というわけではなく、ボリュームライトを遮ったことによるライトの濃淡による陰です。
 
この濃淡は「光を受けて輝いている埃の層を、どれくらい貫いているか」なので判定が難しいです。
うーん、どうやってるんだろう?
スポットライトの位置から光の進行方向にカメラを向け、深度バッファを作る。
ボリュームライトを描画する際、その深度バッファを参照して「どれくらいの光の層を貫いているか」を1ドット単位で加算して…。
重そうだ。
 
深度バッファのサイズが128x128だったとしても、そこを横切りながら1ドット単位で光か影かを拾っていくには、最低128回のifが必要。
やってられん。

セルフシャドウ

ライトを浴びてる菅野さんには、きちんとセルフシャドウも出ていました。